ピロリ菌と萎縮性胃炎
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ピロリ菌の存在が明らかになったのは、1980年代。つまり発見されてから、まだ30年経ってない、ということになります。
胃のなかは胃酸が強く、それまでは細菌が存在できない場所と考えられていたのですから、発見者たちは当時かなり「異質」な存在として扱われたそうです。
いつの時代も、大発見ってそういうものなんですね。
萎縮性胃炎患者の大半がピロリ菌を所有
胃がピロリ菌に感染すると、まず赤く腫れたような炎症を起こすそうです。
これだけなら、急性胃炎、あるいは表層性胃炎の症状なのですが、ピロリ菌が怖いのは胃酸に溶けない細菌だということ。
ウレアーゼという成分を持っていてこれがアンモニアを産生、周囲のpH値を適度に保つため、胃のなかでも平気なんです。
ピロリ菌を除菌しない限り、炎症などの悪影響を及ぼし続けるのです。
実際に萎縮性胃炎患者の多くにピロリ菌の陽性反応が見られることからも、ピロリ菌が長く住み続けていれば萎縮性胃炎になるというのが、現在の大多数の見解のようです。
ピロリ菌を除菌すれば萎縮性胃炎は治るのか?
では原因がわかっているのならば、それを排除すれば克服できるのではないか?と考えるのが当然です。
実際にピロリ菌の除菌治療は行われています。
しかし、萎縮性胃炎というのは、ピロリ菌による炎症が続いて、言わば「燃え尽きたあとの状態」と表現する人もいるほどです。
重度の萎縮性胃炎となりますと、ピロリ菌すらいなくなるほど、胃の状態が変化してしまっているのです。
こうなってしまうと治療の方法は現段階ではないそうで、胃粘膜保護剤や消化酵素薬などで胃の機能を補うしかないそうです。
ピロリ菌は萎縮性胃炎に限らず、表層性胃炎や急性胃炎、胃潰瘍、胃癌などの原因とも言われており、胃の病気を引き起こす原因と言われています。
若いうちに健康診断などのついでに、ピロリ菌の検査受けておいたほうがよさそうですね。
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